HDD > 故障したHDDからのデータ抽出・復元(@資料室)
HDD内部は主にデータを記録するプラッタ・それらを読み取るヘッド・データの転送とドライブの動作を司るコントローラで構成されています。動作原理の面からみると、ハードディスクは単なる記録メディアではなく、最先端技術が凝縮された、データストレージ用のコンピュータとみる事ができます。障害が発生する原因としては、不安定な電源供給や突発的な過電流、落下などによる衝撃や動作中の振動により、アセンブリに物理的な障害が発生する事があります。これらが原因となる障害には、一般的なソフトウェア処置のみでは対応できません。
機械的な故障が発生したHDD(物理障害HDD装置)からのデータ抽出には、発生した障害の克服や回避を行うために、専用の設備と技術・経験が必要です。一般のお客様では診断が困難な分野となります。電源の投入のみでも状態を悪化させる場合もありますので、あれこれと手を加えずに、お早めに、そのままの状態でご相談をお願い致します。
ロジック交換について(重度物理処置作業)
HDD裏面にある制御基盤の不具合は内部プラッタが回転しない、HDDからカチカチ音がする、などの機能不全を引き起こす事があります。不用意な基盤交換はHDDファームウェアパラメータが書き換えられる事により、動作に必要不可欠なパラメータが永久に失われてしまう事があります。データ回収作業が不可能となる場合もあります。このため、お客様による交換は絶対に推奨致しません。
開封解析検査について(重度物理処置作業)
HDDを開封するのみならば比較的簡単な作業です。しかし、内部は非常に精密に設計されており、動作中のプラッタとヘッドのは、一般的なウィルスの大きさよりも僅かな間隔で動作しており、目に見える埃が付着する事は致命的なダメージを与える事になります。クリーンルームなどの防塵対策がない環境での開封は、状態を悪化させる以外に効果はありません。また、カチカチ音がするなどの動作不良に関して、前述の通り必ずしもヘッド不良の不良とは限りません。弊社では必要のない限り、HDD自体を物理的に開封する事はありません。