USBメモリー > 仕組みと概要
USBメモリ(USBディスク)の仕組み・概要についてご説明しております。弊社サービスをご利用頂くにあたり必ずしも必要な情報ではありませんが、お客様にとって有用な情報となるかもしれません。また、記録メディアの特性を把握する事で、大切なデータの保護に多いに役立つ事と思います。弊社サービスへのお申し込み前・お申し込み後でも、ご検討頂いている場合でも、障害の状況などをお知らせ頂く際の何かの参考になれば幸いです。難しい部分はスルーして構いませんので、お問い合わせの際は、お分かりになる範囲でご相談ください。
USBポートを搭載したパソコンなら殆どの環境で使用できる、古くはフロッピーディスクに代わる、現在でもっとも手軽に利用できる記録メディアである。形態はシンプルなものからデザインに凝ったものまで様々なものが提供されているが、内部は主にNANDフラッシュメモリ(記憶素子)とデータの入出力および動作を制御するコントローラチップで構成されている。これらは内部基盤に搭載されており、一般にパソコンに接続しても認識されないといった症状は、内部の回路に問題があり、結果として機能不全となっている場合が多い。非常に安価に入手できるため、搭載部品の品質の悪いものも存在するようだ。記憶素子が動作するかぎり、内部のデータの回収は可能である。
ケースを開封すると、制御基盤上には主に、小さなチップが1つと、1〜4個の大きなチップが搭載されている。前者はデータの入出力および動作を制御するコントローラチップで、後者はNANDフラッシュメモリ(メモリチップ・記憶素子)である。デバイスマネージャで認識されない、LED(ランプ)が点灯・点滅したままになる、といった故障は、製品により異なるケースもあるが、主にこれらチップの異常に起因するものが多いようだ。
NANDフラッシュメモリには、USBメモリとしての動作に必要なファームウェアと、保存していたデータの全てが記録されている。このため、コントローラチップに障害が発生し、USBメモリとしての機能不全を引き起こしている場合でも、このメモリチップさえ動作が可能であれば、データの回収は可能ということになる。折り曲げてしまい、メモリチップに亀裂のあるものは、残念ながらデータの回収を行う事はできない。また、物理的な損傷が眼に見えない場合でも、ファームウェア損傷や異常発生などにより、正常に動作しない・認識しなくなるといった問題が発生する事もある。もちろん、この場合でもデータの回収に成功する確率は高い。
内部装置の異常のほかに、その形態上、パソコンに突き刺して使用することになるため、うっかりぶつかってしまい、折ってしまうといった事故が発生する場合もある。また、頻繁に抜き差しを行う事で次第にコネクタに負荷が蓄積し、見た目には折れていない様にみえても、内部のパターンが剥げ、接触不良あるいは完全に接続されていない状態になっていることもある。
電気的な機能不全の原因としては、不安定な電源供給・ノイズや、人体からの静電気が影響したと考えられるものがある。USB2.0の規格においては、USBストレージ機器は、延長コード・バスパワーのみのUSBハブに接続して使用することは推奨されていない。製品のマニュアルを確認すれば、パソコン本体に設置されているポートに接続して使用するように書かれており、これは安定した電源供給とノイズ対策を考慮してのことと思われる。上記をふまえ、パソコンの電源を切った時や使用しない時は、USBメモリは本体から抜いておくことをお勧めしている。
※上記メモリチップは、弊社検証の為に開封したものです。お客様によるUSBメモリ基盤の取り出し・開封は、内部のチップを物理的に損傷させる可能性があるため、本行為は一切推奨致しません。